2022年2月24日に施行されたDIY・園芸用品向けEPR制度、ABJは、対象製品や関係者が非常に多様であるため、AGEC法から生まれた制度の中でも特に複雑なものの一つとされています。
対象範囲は4つの製品ファミリー(塗装用工具、内燃機関・原動機付き機器、DIY用品、園芸用品)にわたり、その運営はEcomaisonとValobatという2つの認定エコ団体によって担われています。
貴社がこの規制の対象である場合、対象基準、回収義務、そして現行のエコ拠出金の料率を理解することは不可欠です。本記事ではこれら3点を順に解説します。
本記事の要約:
🎯 要点まとめ:ABJ(DIY・園芸用品制度)
- ABJは、製品の用途や購入者ではなく製品自体の特性に基づき、塗装用工具、内燃機関・原動機付き機器、DIY用品、園芸用品の4ファミリーを対象としています。
- 同一カテゴリーを2つのエコ団体(EcomaisonとValobat)が担い、2024年10月の政令で承認されたOCABJが両者を調整しています。
- 店頭での引き取りは2023年1月1日から義務化されており、2027年までに全国で6,000か所を超えるEPR回収拠点網の整備が目標とされています。
- 他の多くのEPR制度に先駆け、2021年12月から修理基金が存在し、環境情報表示の義務化も進んでいます。
要点:塗装用工具、内燃機関・動力付き機器、手工具、または園芸用品をフランスで製造、組立、輸入、または自社ブランドで再販している場合、ABJの対象となる可能性が高いです。この制度は誰が購入するか、どこで販売されるかではなく、製品自体の本質的な特性で対象範囲を判断するため、複数の製品ラインを扱う企業は、主要カテゴリーだけで一括判断せず、個々の製品ラインを個別に確認する必要があります。
🔍 調査方法について
対象範囲は2021年9月22日の政令、およびエコ団体の承認状況(Ecomaison:2022年4月、Valobat:2023年12月、OCABJ:2024年10月)に基づいており、執筆時点の最新仕様を反映しています。回収ネットワークの数値(2023年時点で900の販売店、1,400の公共廃棄物処理施設、40の業務用廃棄物処理施設に15,000個以上のパレットボックスを設置、2027年までに6,000か所以上の回収拠点を目指す)および2027年の約90,000トンという回収目標は、執筆時点で公表されている数値です。最新情報は担当のエコ団体にご確認ください。
🛠️ 4つのファミリーで構成される幅広い対象範囲
多様な関係者と非均一な廃棄物
2022年2月24日から運用が開始されたABJは、フランスのEPR制度の中でも特に多様性の高い制度の一つです。2021年9月22日の政令で定められた対象範囲は、以下の4つの製品ファミリーをカバーしています。
- 塗装用工具。
- 内燃機関・原動機付き機器。
- DIY用品(手工具を含む)。
- 庭園の手入れ・造園向けの製品・機器。
ここでいう生産者とは、これらの製品を製造、組立、輸入、またはフランス市場に投入する自然人・法人を指し、自社ブランドで販売する再販業者も含まれます。
複数製品を扱う企業が注意すべき境界事例
ABJは仕向け先ではなく製品ベースの責任に基づいて運用されています。対象となるかどうかは流通チャネルや最終顧客に関係なく、製品固有の特性のみによって決まります。実務上、大規模・小規模な建設現場向けの工具や業務用の緑地管理機器も対象範囲に含まれます。一方、金物類、石工用資材、および工業専用に設計された製品は明確に除外されています。
こうした境界領域は、ABJの対象となる複数製品企業にとって実務上の申告上の不確実性を生み出しており、各企業は2025年に認定エコ団体が共同で公表した最新の対象範囲に関する指針を基に、個別に判断を下す必要があります。
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🏢 OCABJが調整する2つのエコ団体による運営
Ecomaison、Valobat、そして調整機関の必要性
ABJは、同一の製品カテゴリーを2つの認定エコ団体が担うという珍しい制度であり、そのため専用の調整の仕組みが必要となりました。Ecomaisonは2022年4月、ファミリー3・4についてABJ初のエコ団体として承認を受けました。Valobatは2023年12月に同カテゴリーの承認を取得し、建築・家具分野で既に複数制度を担っていた実績を活かしています。両者の共存を整理し、業務の重複なく義務を分担するため、専用の調整機関OCABJが2024年10月の政令で正式に承認されました。
エコ拠出金の算定とエコデザインによる料率調整
ABJのエコ拠出金は、製品種別ごとの個別処理コストと、素材構成によって決まるリサイクルコストという2つの主な要素に基づいています。料率調整はこれをさらに精緻化するもので、再生材使用に対する優遇措置や、庭園廃棄物の中で大きな割合を占める木材に関する持続可能な木材管理への特別規定が設けられています。制度の成長に合わせて料率は定期的に見直されており、Ecomaisonは2027年に設定された約90,000トンの回収目標達成を目指し、2025年1月1日から料率を改定しました。
♻️ 再利用・修理を中核に据えた制度
販売店における回収ネットワークの拡大
店頭での引き取り義務は2023年1月1日からDIY・園芸用品に適用されており、公共廃棄物処理施設とともに廃棄物回収の主要な受け口となっています。小型製品の回収を容易にするため、専用のパレットボックスが販売店ネットワーク全体に広く配備されています。2023年時点で900の販売店、1,400の公共廃棄物処理施設、40の業務用廃棄物処理施設に15,000個以上が設置されました。2027年に向けた規制上の目標は、全国で庭園用品向けの回収拠点を6,000か所以上のネットワークとすることであり、これが直近の料率改定の背景となっています。
制度の真の差別化要因である修理・再利用
ABJは修理に中心的な役割を与えている点が特徴で、2021年12月に設立された専用基金によって資金が供給されています。これは同様の施策を導入した他の多くのEPR制度に先駆けるものです。刃物の研磨やパラソル・バーベキューの修理といった需要に対応するため、認定修理業者のネットワークが構築されており、社会的連帯経済の団体も、寿命を迎えた工具・機器の再利用の仕組み作りに積極的に取り組んでいます。また、生産者には、再生材の含有率、リサイクル可能性、そしてREACH規則で定義される有害物質の含有の有無について、製品への環境情報表示も義務付けられています。
💡 ヒント:貴社のカタログに同種の工具の一般消費者向けと業務用の両バージョンが含まれている場合、業務用ラインが自動的に除外されると考えないでください。ABJは製品ベースの論理を採用しているため、対象製品の業務用グレード版であっても、購入者や販路によって除外する他の制度とは異なり、対象範囲に含まれる可能性があります。
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❓ ABJ制度に関するよくある質問
ABJでどのエコ団体に加入すればよいですか?
EcomaisonとValobatはどちらも同じカテゴリーについて承認されており、OCABJが両者を調整しています。どちらが適しているかは、貴社の製品構成や、他の制度で既にいずれかと取引があるかによって異なります。
業務用工具はABJの対象外ですか?
自動的に除外されるわけではありません。ABJは購入者や販路ではなく製品特性に基づいて運用されるため、大規模・小規模な建設現場向けの工具や業務用の緑地管理機器も対象範囲に含まれる場合があります。金物類、石工用資材、および工業専用製品のみが明確に除外されています。
店頭で製品を引き取る必要がありますか?
はい。DIY・園芸用品の店頭引き取りは2023年1月1日から義務化されています。
エコ拠出金を抑える方法はありますか?
再生材を使用すること、また木材製品については持続可能な木材管理を実践することで、料率調整制度において優遇措置を受けられます。
DIY・園芸用品向けの修理基金はありますか?
はい。2021年12月から修理基金が存在し、刃物の研磨やパラソル・バーベキューの修理などのサービスを行う認定修理業者に資金を提供しています。
ABJコンプライアンスを整えましょう
ABJは対象範囲の判断や2つのエコ団体体制という複雑さを持つため、特に一般消費者向けと業務用の両方の製品ラインを扱う企業にとっては、単独で対応するのが難しい制度の一つです。最初の段階で境界事例の判断を正しく行うことが、後の手戻りを大きく減らします。
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